こんばんは!!
今日は久しぶりに長編作品を読了したので、そちらの感想を!!
壊れた国の谷底で(白里りこ) – カクヨム (kakuyomu.jp)
今回は白里りこさんの〝壊れた国の谷底で〟という作品です。
かなり以前からゆっくり読ませて頂いていたのですが、私の転職などもありこのタイミングになってしまいました。
極力ネタバレを避けつつ読了直後の今感想を述べるとすれば、まさに終わりよければ全て良し!!
というかこの終わり方が本当に良かった!!
マジで百点満点どころか二百点満点!!
恐らく読んだ人全てが納得する終わり方ではないと思うのですが、少なくとも俺はこの終わり方がぶっささりました。それくらい最後まで読んで良かったと思えた作品です。
まず本作、作中世界や社会構造が割とどうしようもなく終わってて(終わってるというか問題山積み)、史実の人類でもまあ2000年前に比べれば大分マシになったかな……ってなる部分ですらあんまり進展しません。
それは作中ラストになってもそうで、本作で提示された無数の問題は最後までほぼ解決せずに終わります。
もし本作の主題をこういった社会問題の解決に捉えていたら、この終わり方は納得できないかもしれません。
ですが実際俺たちが生きるこの社会にも多くの問題があり、それらの問題全てを解決しているかといえば全然そんなことはありません。
多くの問題が先延ばしにされたりスルーされたり、むしろもっとやれと悪化したりしていて、それでも色々な人が様々な問題を解決しようと牛歩の歩みで頑張っている。そんな感じだと思います。
そして問題を解決する力も影響力もない(少なくとも俺は自分のことをそう思っている)小市民にとって、本当に大切なのはその問題をどうにかすることよりも、その問題がある中でも自分が本当に望む幸せを見いだし、それをちゃんと大切にすることなのだとこの作品は教えてくれます。
簡単に書きましたが、この〝自分が本当に望んでいる幸せを見つける〟ことと、〝見つけた幸せをちゃんと大切にする〟ことの二つは割と至難だと思ってます。
というか、もしかしたら殆どの人が出来ないまま死んでるかもしれません。
それくらいこの二つに到達することは難しいし、だからこそ一生をかけて追い求めていくのでしょう。
本作は最後でちゃんとここが描かれていて、それが俺にとっては最高の終わり方として結実していました。
問題山積の世界を描いた上で、ここに結実させたことがなにより素晴らしい!!
興味を持った方はぜひご覧になってみて下さい!
良い作品をありがとうございました!!